こんにちは。訪問介護サービス提供責任者の平山です。
4月も終わりが近づき、少し暖かくなってきましたが事務所ではまだまだ足元が冷えます。
季節の変わりめは風邪予防が気になる時期ではないでしょうか。
そこで、今回は介護福祉士であり中医学療法師でもある私がおすすめする
「毎日お湯に浸かる」ことについてお伝えしたいと思います。
中医学で「風邪」とはどんなものか?
お湯に浸かることの利点をご説明する前に、
中医学ではどんな症状を風邪というのか、その特徴を確認していきます。
風邪(ふうじゃ)・・・外をふく風が、邪とともに体内に入ること。
風邪(ふうじゃ)は百病の長であり、花粉やウイルス、寒気、匂いなど、さまざまなものを運んできます。
善行数変の性質を持つため、よく流れ、スピードも早いです。
風が他の邪を体内に運んで回ることもあります。
そのため、極論ですが、風を遮ると風邪(ふうじゃ)にはなりません。
風邪にかかった時の特徴
では、風邪(ふうじゃ)が入った場合はどんな特徴が出るのでしょうか。
①脈が浮脈(ふみゃく)になります。
これは体内の津液(しんえき)が邪を追い出そうとしてくれるために表れる脈です。
②頭の付け根や首の後ろなどが硬くなり、痛みが出ることもあります。
風邪の特徴は陽(よう)の場所に出るためです。
③発熱
④急に病理変化を起こします。
風が気血の流れを混乱させるためです。顔が赤や青になることもあります。
これらの特徴が全て見られる場合には、風邪の可能性が高いと考えます。
そのため、風が体内に侵入しないようにすること、
侵入したとしても直後に追い出すことで
症状が軽いうちに回復したり、症状が出る前に予防したりすることが出来ます。
風邪にかからないために
よくない風の影響を少なくするには、
・加湿器をつけて湿度を上げる
・ファブリーズなどの粘着性のスプレーを撒く
ということも有効です。
ただし、これらは菌やウイルスを殺したり減らしたりする訳ではありません。
「下に落とす」だけなので、床やテーブルなどの掃除をし、下に落ちたものを除去する必要があります。
また、全ての風が悪いものを運ぶわけではありません。
窓を開けて入ってくる「気持ちのいい風」
「おひさまの香りを連れてくるような爽やかな風」など
私たちが感覚的に「心地よい」と感じる風は健康にも良いものの場合が多いです。
換気は積極的に行い、心地よい風を取り入れてください。
そして風邪(ふうじゃ)が体に入らないようにすること、
症状が出る前に追い出すことが大切です。
風邪(ふうじゃ)を追い出す簡単な方法
風邪を追い出すためには、体内の津液の働きを利用します。
つまり、「汗をかく」ことが大切です。
具体的には
・じんわりと汗が出るまでお風呂に浸かる
・辛いものを食べる(唐辛子のようなピリ辛のもの。塩辛いものではありません)
・熱いものを食べる
・時にはネギをたくさん食べる
などが日常に取り入れやすいと思います。
なかでも、お風呂は毎日入るものです。
シャワーで済ませるのではなく、
湯船でしっかりお湯に浸かるだけで風邪の予防になります。
「健康」は一生涯のテーマです。
特別なことを無理して行うよりも、
毎日の習慣として手軽に続けられることを取り入れてみてはいかがでしょうか。
これだけは注意してください!
定期的に汗をかくことは、
風邪予防にも早期回復にも役立ちます。
ただし、気をつけていただきたいこともあります。
それは、「病気の治りかけの時には絶対に行わない」ということです。
汗をかいて予防や早期回復ができるのは、
いわゆる「風邪のひきはじめ」と普段の元気な状態の時だけです。
病気が治りかけの時期に、汗をかいてしまうと
すでに邪は体内から追い出せているにも関わらず、
汗として気力(体力)まで流れ出してしまいます。
この状態は回復を遅らせるだけでなく、
抵抗力を弱めて新たな邪の侵入を許しかねません。
「よくなってきた」と動きたくなる時期ではありますが、
じっとして体力を蓄えて完全な回復を目指します。
まとめ
・風邪(ふうじゃ)とは、風が邪と共に体内に侵入した状態
・毎日入浴してじんわり汗をかくことが、予防と早期回復につながる
・「病気が治りかけ」の時には、体力温存のため汗はかかないようにする
以上、簡単にできる入浴のススメについて書かせていただきました。
これからも少しずつ、健康に役立つ中医学の知識をご紹介したいと思いますので、よろしくお願い致します。
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