おはようございます。訪問介護サービス提供責任者の平山です。
今日は前回の記事(【上限50%!?】いつまで続くかわからない介護に押しつぶされないために①)の続きです。
(※この記事は以前アメブロに載せたものを編集して投稿しています)
現役介護福祉士が考える「家で介護する」ということ
前回の記事では、頑張らずに余力を残した介護をする覚悟をお勧めすること、
意思決定の責任はご本人やご家族にしか負えないこと、を記述しました。
今回はより具体的に考えていきます。
「家で介護する」ことのメリット・デメリット
家で介護することのメリットは、なんと言っても、住み慣れた自宅で過ごせることです。
気持ちが落ち着くというだけでなく、
ご近所付き合いをしてきた方なら時々ご近所さんがお話に来てくれたり、
お友達が家に電話をくれたり、という人付き合いに関する点でも利点があります。
また、どのように「人生の最期」を迎えるのかを
ご本人とご家族が主体的に選択しやすいことも忘れてはなりません。
これは今までの訪問介護の経験から、本当に大事な事だと思います。
ターミナル期の場合は、ご本人の希望とご家族の意向が合えば、
住み慣れた家で穏やかに過ごすことは、
ご本人にとってだけでなく、看取った後のご家族にとってもよい選択となることが多いように見えます
(全ての方に在宅でも看取りを勧めるわけではありません)。
ではデメリットはどんなことがあるでしょうか?
一番は、いざという時に一人かもしれないということです。
施設でも利用者ひとりひとりに介護職員がついているわけではなく、
夜間は特に何十人を一人や二人で担当するような状態です。
ですから常に見守ってもらえるわけではありませんが、
在宅に比べると人の目が多い傾向にあります。
他には、ご家族の介護負担の問題です。
施設でも入所すればご家族の役割がなくなるわけではありません。
いろいろな用事で度々、呼び出しがあることもあります
(在宅分野も含めて介護保険サービスには厳格なルールがあり、なんでもお願いできる事はあり得ません)。
それでも、毎日同居して介護をしたり同居でなくても通って介護をするよりは
介護負担の軽減が期待できます。
余力を残した介護とは?
私の個人的な考えですが、在宅介護を始めるときご家族には20パーセント、
どんなに多くても50パーセントの力しか使わないでほしいと思っています。
あと数日、というようなターミナル期を除いては
介護する側は「先のことを見据えて心身ともに健康でいる必要があること」
「経済面も含めて、介護が終わっても自分の人生は続くこと」
を常に考えておく必要があります。
そして介護には「不測の事態」がつきものであることも忘れないでください。
通常時から100パーセントの頑張りで介護していると、
いつもと違うことが起こった時に対応できなくなります。
例えば、在宅介護中であることを会社に伝えた上で
普段はなるべく仕事最優先に動き、不測の事態や緊急時には
会社を休んだりしやすいようにしておくこともひとつの余力です。
また、なるべく自分だけの時間を持つようにし、
自分を労ることも大切です。
意思決定はご本人やご家族にしか出来ません
では、余力を残すためにははどうすればいいのでしょうか?
まずは、ご家族やご本人にしか絶対に出来ないことと
介護保険サービスを利用できることを分けます。
契約や意思決定と選択、金銭管理などの責任の伴う行為は
ご本人やご家族等にしか行えません。
これは必ず、行う必要があります。
そしてオムツ交換や入浴介助など実際の介護は
介護サービスを利用できるので
全てをご家族が担おうとせず、
経済状況や利用できる単位などに合わせてサービスを利用します
(介護認定によって利用できるサービスの範囲や単位は複雑です。
担当ケアマネージャーにご相談ください)。
具体的には
①介護認定を受ける
②ケアマネージャーと契約する
※①と②は前後することがあります。
介護認定の申請代行から行ってくれるケアマネージャーも多いためです。
③ご本人とご家族等が「今後の生活」について話し合う
④ケアマネージャーに望む生活について相談し、サービス利用を検討する
⑤サービス事業所と契約し利用する
という流れです。
③は見落としがちですが、特に重要です。
ご本人の希望を聞きすぎて、介護する側のご家族等が倒れてもいけませんし
せっかくの在宅生活でご本人の満足度が低くなるのも避けたいところです。
そのためには、事前にしっかり話し合い
それぞれの希望、出来ないことや許容できないことの境界線
を把握しておくことをお勧めします。
最後に
介護をする側にも人生があります。
在宅介護を決めるとき、介護する側には
大切な人に人生の最後の時間を
その方らしく過ごしてほしいという想いがあると思います。
親愛の情や、感謝などを示す行動だと考える方も多く
実際にその通りでしょう。
でも、誰かを介護するなら
自分の人生がこの先も続くという視点を持ってください。
介護の「犠牲」になることと「親孝行」は違います。
それぞれの家庭にとっての「良い親孝行」の形、納得できる在宅介護を見つけて欲しいです。
今後はご本人がサービス利用を拒否する場合や
介護離職を考えている場合などについても記事にしていきます。
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