こんにちは。
訪問介護サービス提供責任者の平山です。
ここのところ、ニュースで新型肺炎の話題が出ない日はないくらい頻繁に取り上げられています。
私も今朝、ドラックストアの前で開店を待っている方々を見かけました。
マスクは品切れと張り紙があったように見えたのですか・・・?
今日は感染予防について、普段から心がけておきたい「スタンダードプリコーション(標準予防策)」をご紹介します。
スタンダードプリコーション(標準予防策)とは・・・
感染症病原体の存在が疑われるかどうかに関わらず、全ての人に分け隔てなく行う感染予防策です。
「全ての血液、体液、分泌物、汗以外の分泌物、損傷のある皮膚、粘膜は伝染性の感染症病原体を含む可能性がある」という原則に基づきます。
一言にまとめると「感染症の有無に関わらず、いつでも・どこでも・誰に対しても、一律に予防策を徹底しよう」という考え方です。
介護や医療の現場では一般的になりつつあります。
(が、令和の時代に「マスクをしたヘルパーはいらん!」「(オムツ交換やお風呂介助で)手袋を使われるのは嫌や!」というご依頼もまだあります。
ありえないですよね・・・。健康に生きる権利、身を守る権利は誰にでもあります。
弊社ではそのようなご依頼はスタッフや他の利用者様を守るために、申し訳ありませんがお断りしています。
ただ、他の事業所では引き受けるところもあるようなので、これから仕事を探される方は気をつけたほうがいいと思います)
なぜ、全ての人に分け隔てなく感染予防を行う必要があるのでしょうか?
それは検査によって感染症「陽性」と判断されるのは、氷山の一角だからです。
感染症には自覚症状のないものもありますし、
自覚症状があっても検査を受けていない人、
感染していて検査を受けても反応がない期間だったり、
検査を受けて陽性だとわかっているのに隠す人、
現在の医学では発見できていないものもあります。
そのため、お互いの身を守り、集団社会の中で生活していくためにはスタンダードプリコーション(標準予防策)が必要となってきます。
特に介護職をはじめ人と接する機会が多い仕事の場合は、
自分には問題がなくても「運び屋」になってしまう可能性もあります。
今回の新型肺炎騒動でも、感染経路が特定されていないとは言え
発生源とみられる地域へ行っていない、人から人への感染も疑われています。
また、新型肺炎だと確定診断が出るまでの間や、感染していても症状が出ない人が感染症の原因となるものを運ぶこともあり得ます。
だからと言って、鎖国したり、渡航者やその接触者を完全隔離することは現実的ではありません。
憶測による風評被害を与えてもいけません。
そこで、スタンダードプリコーション(標準予防策)が必要となります。
私たちに出来ること
では、具体的にはどうすればいいのでしょうか。
まずはよく寝て、必要な栄養を摂り、健康な体を作りましょう。
新型肺炎に限らず、どんな病気にも結局は基礎体力がものを言います。
次にスタンダードプリコーション(標準予防策)の具体策をご紹介します。
⑴手指衛生
正しい手洗いと手指消毒の徹底
⑵呼吸器衛生 咳エチケット
マスクなどの適切な使用(正しい着用法についてはこの記事もご覧ください)と咳が出る時の対処
⑶環境の維持管理
室内を清潔に保ち、定期的に換気をする
⑷リネン類の取り扱い
シーツなどにも感染源の汚染があるものとして取り扱う
ここまではご家庭でも可能ではないでしょうか?
その他、介護や医療の現場では
⑸個人防護具(PPE)の適切な使用⑹患者の適切な配置⑺患者に使用した器材の取り扱い⑻安全な注射手技⑼腰椎穿刺における感染制御手技⑽労働者の安全
も徹底する必要があります。
なかでも最も大切な手指衛生について、
WHO(世界保健機構)は以下のタイミングを推奨しています。
⑴患者に触れる前
⑵清潔・無菌操作の前
⑶体液に曝露された可能性のある場合
⑷患者に触れた後
⑸患者周辺の物品に触れた後
手指衛生は
石鹸(ハンドソープ)での手洗いとアルコール消毒が基本です。
また、手荒れや乾燥によって皮膚のバリア機能が低下することも考えられます。
ハンドクリームなどを使用してより良い皮膚状態を保ちます。
ハンドクリームは、チューブタイプが衛生的です。
まとめ
感染対策で一番重要なのは、「常に」「確実に」「実施する」ことです。
特に手指衛生や個人防護具(本格的な防護服をはじめ、使い捨てマスクや使い捨て手袋、ガウンやフェイスシールドも含みます)の装着は身近な対策な上、
正しく、確実に実施することで、効果的な感染対策につながります。
どんな時でも手指衛生を徹底し、感染予防に努めることは自分や家族、利用者だけでなく、周りの人々をも守ることにつながります。
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